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塾のこと(生徒)

滑り台

滑り台

スーパーに行く途中に、公園を通る。

そこで何気なくみた滑り台。

何かを思い出す。

 

 

20年くらい前だったか、まだ前の場所に塾があった頃。

試験の日が近づくと、受験生が繊細になる。

もちろんそれはわかるのだが、塾の先生として言わないといけない時もある。

1月に入ったくらいだったか、授業前に小テストをした。

本来とれてないといけない子がイマイチだ。

「ほら、正月だからってぬるいことやってると点が下がっていくよ。気を抜かずに頑張らないと。」

その子の元気がなくなる。

それはわかるけど、あとちょっとだから奮起して頑張れ!

元気がないまま、授業が終わる。

言いすぎたか?

だけど仕方がない。

授業が終わってみたらその子がいない。

はー。

最近このパターンが多い、授業が終わると誰かがいなくなってその子を探してなぐさめて終わる。

今日も探しに行かないといけないのか。

外は雪が降りはじめた。

いつも探しているので、いる場所はだいたいわかる。

階段の下か、校舎の裏か、公園か....

どこにもいない?

あれ?

どこにもいない。

だけど、探し続けないといけない。

見つかるまで探す。

これもいつものことだ。

もう一度公園に行ってみよう。

静かな公園に目を凝らす。

どこにもいない。

 

でも、見つけて欲しいように泣き声が聞こえる..

まさか!

滑り終わった滑り台にすっぽりハマるように生徒がいる。

「ちょい。もっと簡単なところにしてよ。」

にやっとしてる。

俺を困らせてすっきりしたか?

その生徒を励まして、二人で教室に戻る。

 

あの滑り台で小さな子供が遊んでる。

20年前に俺が心配したあの子が泣いてたあの滑り台で。

その子も今や女の子のお母さんになっている。

覚えてるかなあ。

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